あるところに足の速い中2の男の子がおった。それはそれは勉強が大嫌いな男の子やった。
母「先生、この子『部活の成績で高校行くから。』って言うて全然勉強せんのですぅ…」
エデル「試合当日寝坊してしまえ♪(^ω^)」
陸男「学校は遅れても、試合は遅れないッス( ̄▽+ ̄)」
エデル「せやけど陸男くん、君は最低限のお勉強すらしてへんわけで、それは子供の義務を果たしとるとは言えんなぁ。」
陸男「でも、内申は3年になってから勉強頑張れば間に合うし、それに俺、来年全国行くんで。」
エデル「そんなナメたことを塾で俺と親に堂々と言えるのは凄いな(笑)」
エデル「陸男くん、3年に上がって故障する可能性考えてないやろ。」
陸男「え、そりゃまぁ…。」
エデル「俺な、小学5年生の時に市の大会でハードル出たんよ。最後の1台引っ掛けて一瞬でトップから最下位になってん。そういうことも起こり得るからな…」
陸男「ッス」
エデル「それに、部活の成績で行ける強豪校なんて、絶対に今よりも規則や礼儀に厳しいに決まっとるやん?強豪校でも赤点取ったら試合出られんとか普通にあるんやで。だから悪いことは言わん。最低限オール3前後の成績でおれるように、今から努力しときな。」
陸男「ッス」
そして3年の春がやってきた。
エデル「実力考査の結果、見せてみ♪」
陸男「ッス」
エデル「う~む…英語とか理科とか、まだもうひと頑張りできるかな。」
陸男「いや限界ッス」
エデル「またまたぁ~♪」
陸男「足の速さと学力は反比例するッス( ̄▽+ ̄)」
エデル「いっちょ前に根拠のないことを数学的に言うなぁ♪(笑) 陸男くん、桐生祥秀知っとるやろ?」
陸男「ッス!陸上の人ッスよね?」
エデル「おう。あの人スポーツ推薦やけど洛南高校っていう偏差値70オーバーのところに行っとったんやぞ。」
陸男「マジッスか…。」
エデル「それでもキミは学力・走力反比例論者でいられるかい?」
陸男「…」
5月末の3者面談にて…
エデル「陸男くん、中間が返ってきた頃やな。」
陸男「これッス、これッス!」
エデル「お…おぉ~!めっちゃ伸びとるやん!え!?どないしたねん!?」
母「なんか最近『ミニリュウになるねん!』って言うて急に勉強し始めたんですww」
陸男「ミニ桐生な(-ω-)/」
結局、陸男は全国大会には出場できなかった。
言うまでもないが、スポーツの世界はそんな甘いものではなかった。
だが、陸男が桐生選手に憧れ、勉強に手を付けたことが内申点アップに繋がり、無事に志望校への合格が決まった。
彼は高校進学後も熱心に陸上に取り組んだと聞いている。
桐生選手が勉強が得意だったかはわからないが、存在自体が陸男が勉強をするきっかけになってくれたことは間違いない。
人は優れた人物に対して強い憧れを持つと、その人物の一番際立った点以外の部分にも敬意を抱き、同じような行動をとることがある
エデルマン先生の思い出話は、twitterにて日々更新中♫
次回は剣道部女子のお話だよ~(´ー`*)