あるところにサッカー部の男子がおった。
勉強嫌いで成績はオール2じゃったが、人懐っこくて憎めない奴であった。
エデル「夏休みは毎日塾に勉強しに来たまえ。」
蹴る男「ゲームしたいです。」
エデル「2学期でオール3取ったら解禁な。」
蹴る男「僕、今クラッシュオブクラン最強なんですよ!」
エデル「人の村壊しとる場合かw」
蹴る男「先生はクラクラしてないんですか?」
エデル「あんな世紀末ゲーム消したw」
蹴る男「村壊されたんですねwご愁傷さまですw」
エデル「村を英語で書いてみw」
蹴る男「(maunten)」
エデル「それ山やしスペルちゃうし!」
蹴る男「夏で書けるようになりますw」
エデル「明日や。」
こんなやり取りをしつつ、蹴る男は毎日塾に来るようになった。
エデル「蹴る男、こないだの模試返すぞ。」
蹴る男「あ、あれは手応えありましたよ♪」
エデル(スッ)
蹴る男「え?先生これ僕のじゃないですよ?」
エデル「アホかお前のんやw種子島のこと納豆島って書くのお前しかおらへんわ!」
蹴る男「採点ミスじゃないですか?」
エデル「業者の人に謝れw」
エデル「あとお前、大仏に関する聖武天皇の目的、全然理解してないやろ。なんや『天皇が仏教を頑張る」って。」
蹴る男「指定の語句組み合わせたらそうなりましたw」
エデル「まず日本語おかしいやろ…まぁ間違えるのはかまへんから、今週中に全科目解き直しなさい。」
夏休みも後半戦に差し掛かった頃、
蹴る男「先生!僕、今度のテスト、社会に全能力振ります!」
エデル「1人の兵隊を生かして4人を犠牲にするんかいw」
蹴る男「他も頑張りますけど、社会に命懸けます!」
エデル「矛盾しとるなぁ…でも社会は覚えた分だけ点数に反映されるからトコトンやりなさい!」
蹴る男「先生、僕今日から先生の机の横で自習してもいいですか♪」
エデル「全科目ちゃんと集中して万遍なくできるならエエぞwあと、社会70点以上なかったら引き剥がすからな。」
蹴る男「了解ッス!」
そして、2週間後、とんでもない奇跡が起こる…
9月の課題テスト当日。
蹴る男「先生!課題テストの社会、めっちゃ出来ました!」
エデル「お前の感触はまだ当てにならんがww何点ぐらいありそうや?」
蹴る男「96は固いッスね♪」
エデル「それ、2・3問しか間違ってないって意味やぞww」
蹴る男「いやマジでそれぐらいッス!」
数日後…
蹴る男「先生、社会76点でした…」
エデル「いっちょまえに落ち込んどるw」
蹴る男「ほんまに90以上の自信あったんですって!」
エデル「完全に定着した知識が増えれば、感触と実際の点数の温度差が少なくなるわ♪でもよう頑張ったやん。1学期末40点やったんやで♪」
蹴る男「先生。僕、勉強に目覚めますよ(^ω^)」
エデル「まだ目覚めてへんのやなwwほんならまだまだ伸びるやん!」
蹴る男「伸びしろですねェ!」
エデル「本田圭佑かw」
蹴る男「じゅんいちダビッドソンですww」
エデル「ところで蹴る男、自習では英数は一向に顔を出さんのだが、どうなのかね?」
蹴る男「あ、今顔出すところです。」
エデル「よろしい。バランスよく伸ばしてこそ真のオールラウンダーやぞ!」
蹴る男「オールラウンダー…」
エデル(ちょろいな♪)(^ω^)
時は流れて2学期末・・・
エデル「お~い蹴る男、通知表見せれ♪」
蹴る男「(スッ)納得いかないッスね!(^ω^)」
エデル「お前、マジでオール3やん!オールラウンダーやん!」
蹴る男「伸びしろですねェ♪」
普段はヘラヘラした奴だったが、自習や課題に取り組む姿勢は進学校に進んだ子達と遜色ないものに成長していた。
最終的に蹴る男は公立高校の普通科に合格した。
オール2の頃を知っているだけに、本当に良く努力したと思う。
夏に良い学習習慣が身に付いたことが、大きな伸びへとつながった事例と言えるだろう。
エデルマン先生の思い出話は、twitterにて日々更新中♫
次回もお楽しみに(・ω・)ノ