学期の終わりに、
塾生たちの通知表を回収していて、
『実技教科で平均点が高いテストを作られるのも考えようだな』と思った。
実技教科(技家・音・美・保体)は、各学期に1度しかペーパーテストがない。
運動音痴だったり、手先が不器用だったり、
実技が苦手な生徒にとっては、
この1度のペーパーテストが本当に本当に運命を分けるテストとなる。
担当の先生によってはサポートが手厚く、
事前にどこをテストに出すかを教えてくれて、
その内容をしっかり勉強すれば点が取れるテストを作られる先生もいる。
頑張って勉強すれば点数につながりやすく、
生徒たちも高得点がとれるので、テスト返しの際には喜んでテストの答案を持ってくる。
この一面だけを見ると、
生徒たちが頑張れば報われるテストっていいんじゃない?
という意見もあるかもしれないが、悩ましい一面もある。
全員が点を取りやすいテストって、
その科目の実技が得意な人にとっては有利に働き、
苦手な人にとっては、ペーパーテストで逆転が許されない仕組みとも言える。
例えば、上位3校あたりの高校を目指していて、
運動は苦手だけど保体の通知表は悪くても『4』がほしいという状況の人がいたとしよう。
(この状況は実際によくある。)
※上位3校[西・東・市姫]を目指そうとすると、実技教科に『3』が1つあるだけで内申でかなり足を引っ張ることになるので、何とか『4』をという状況。
そんな時に我々としては、
運動が苦手なら苦手で仕方ないので、
日頃の授業はどんくさくても一生懸命に参加して、
実技テストの内容が分かる時はしっかり練習をしてテストに臨もう。
そして、期末テストでは運動が得意な奴に負けないぐらい点をとろう。
とアドバイスをするわけだ。
さて、お世辞にも「運動は得意ではないよね…」と思える2人の1学期期末テストの結果と通知表を貼っておく。
90点をこえても「3」とは・・・
なかなか厳しい。
1人はどんくさくても一生懸命やる子なんだけどな。
テストは頑張ったと思うのだが、
平均点が70点では90点を超えたところで偏差値が伸びきらない。
実技テストの点数+期末テストの点数を合算して、
合計得点が高い順に生徒を並べた結果、実技が強い人には勝てなかったんだろうな…と推測はできるが「3」はきついな…。
Aさん(94点)なんて、期末テストは3問しか間違ってないのに。
期末テストで挽回できないということは、
実技がそれなりにできる人しか、いい通知表はもらえないじゃないか…。
高校側がはっきりと言うことはないですが、
今の進学校が求めている生徒というのは、
5教科が強い人であり、きちんと勉強する人。
違う表現をすると、大学入試で結果が出せる人。
運動ができたり、芸術に長けている人がほしいわけじゃない。
そう思うと、実技教科のペーパーテストの価値をもっと上げてくれてもいいのでは?と思ってしまう。
実技のペーパーテストで高得点をとる人って、
先生の話をよく聞いてポイントを押さえるタイプだし、自分の中の基準が高く、細部まで抜かりなく準備ができる人ですよ。
ブログに書いたところでどうにもならないけれど、
塾としては、もどかしい案件だなと思い、書いてしまった。
7月も今日で終わりだ。
毎日暑いけど頑張ろ!